【武術稽古法研究011】1995年1月19日
◎〈体内波〉をどう捉え、どう稽古するか
武術稽古法研究(95/01/18)「〈体内波〉=支点の処理から支点の質的転換へ」を読み直して〈体内波〉についての考えをまとめてみた。
1「動きの質的転換」から「身体の質的転換」へ
先生が常日ごろ言うところの「動きの質的転換」は、当然に身体そのもの(身体感覚といってもいい)の質的転換を伴ってきた。今回の〈体内波〉は付随的に行われてきた身体の質的転換が臨界点に達し境界線を越え、より深いところでの身体の質的転換が起こったもののように思える。
2「支点が居着かない動き」から「居着かない支点」へ
同様に「支点が居着かないようにいかに動くか」の追究の結果、支点そのものが「居着かない支点」へと質的転換した。
3「居着かない支点」で動くと、普通の動きに見える
「居着かないように動く」のではなく「動きが居着かない」のだから、どのように動いても技が効いてしまうことになる。
*このことに関しては、あくまでも理論上のことで、現在の先生が「どのような体勢でも居着かない動きができる」ということではない。会員があまりはしゃいでいては先生に叱られてしまう。実際には現在の先生にとっても〈体内波〉の状態になるためには体勢をつくる必要があるだろう。しかし、これまでの例から考えて甲野先生が〈体内波〉と思えば瞬時にその体勢になれるようになるのは時間の問題だと思う。
4 松聲館の技法は〈体内波〉をもとに組み直される
これからの先生の技は当然〈体内波〉によるものとなる。現在〈体内波〉で動くだけでも結構技が効いてしまうが、これからはより有効に〈体内波〉を生かす型や技が開発されることだろう。
5 会員はどのように稽古すればいいか
それを稽古する我々会員としては、先生の言われる〈体内波〉を使った技の「感じ」をつかむことから始めるより他ないと思う。そのかたわらで、『四方輪』を使った型により「支点の質的転換」をめざすことになるのではないか。
以上
011の補足(2004年4月)
〈体内波〉による展開の予測ははずれてしまった。そのことは次の研究レポートに書いている。〈体内波〉は身体の質そのものの変化と考えられるから、その身体をもって技を行えばいいわけで、それ用の技を考えるという性質のものではなかったのかもしれない。
ただ、〈四方輪〉→〈体内波〉→〈肩の溶かし込み〉という展開から、肩、肩胛骨の質的転換が大きな意味をもっていたと考えられる。