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【武術稽古法研究004】 1994年8月16日

◎正中面を立てることで相手の芯を捉える

 前回(7月15日)の恵比寿の稽古会で、Yさんの提案で「相手に対してきちんと面を立てる」というテ−マで稽古をした。その稽古を通して思ったのは、「面を立てる」ことの意味は、
1 「自身においては、体の廻り・捻れの検出装置とするため」であと同時に、
2 「相対しては相手の芯を捉えるため」
 ではないかということだった。
 その時の稽古では、結果的に2がテ−マとなったが、きちんと相手に向き合うことで技の効き方に質的な違いがみられた。
 もちろん「芯を捉えているつもり」では意味がないのであって、技を受けている人が自分の芯に向かって相手の正中面が立つように誘導する必要がある。
 話は少しそれるが、総じて技を受ける人のほうが、技を仕掛ける人自身よりその人の体の状態が分かりやすいようだ。これは二人稽古が大切であることの理由のひとつである。技を仕掛ける人に対して、受ける人は常に指導的立場にあるということである。甲野先生との稽古では、先生の技に抵抗したり、邪魔するような動きをすることも成り立つが、会員同士では(現時点では)成り立たないだろう。むしろ受け手は自分が崩れる方向に誘導することで相手の体感を育てていくのである。そのような稽古は自分の体感をも育てることになるし、技の理解度を深めることにもなるのだろう。

 さて、話をもどして[面あわせ]だが、相手が腕を取ってくる、突いてくるなどの動きにあわせて相手に面を立てていく、という方法も試みた。
 こちらが突こうとした瞬間にスっと面を合わせられると、ヘタにかわされるより直接腰が崩されるような感覚がある。やはり「相手に対してきちっと面を立てる」という言わば「芯を捉える姿勢(型)」の上に技が成り立っているのではないだろうか。〈面立て〉の重要性についてはまだまだ考えなければならないことがありそうだ。
以上


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